「変わる」ことは、「遠くに行く」ことではない

このブログでは、かねてより「変わる(本来の自分に戻る)」ということに関してアレコレお話させていただいておりますが、もしかすると「変わる」=「今の自分とおよそかけ離れた魅力的な自分になる」というようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。「今の冴えない自分とサヨナラして、『みんなに愛される新しい自分』を手に入れる」と言った感じでしょうか。

しかし、それだと実は本当の意味で変わっていることにはなりません。なぜなら「前の冴えない自分を受け入れずに、遠くに逃げようとしているだけ」で、結局「本来の自分を拒否している状態のまま」だからです。

本来の自分を否定したまま、何かを手に入れても幸せにはなれない

わかりやすくするため、たとえ話に置き換えてみましょう。

例えば「自分は太っていて容姿に魅力がない」と悩んでいる女性がいたとします。そんな彼女が一生懸命にダイエットをし、その結果「スリムになって、男性にたくさん声をかけられるようになった」というように変化したとします。念願の「憧れの自分の姿」を手に入れることができたのですね。

でも「太っている自分が大嫌い」という思いが癒されていないままだと・・・

「また太ったらみんな離れていってしまうのでは」と不安に思って食べることを楽しめなかったり、いつも自分の容姿を気にして人と比べたり、潜在的に「異性からちやほやされるようになったから、今度はこちらが異性を振り回してやろう」と思ってしまったり・・・と言うようなことでいつも頭がいっぱいになってしまいます。また、その状態で恋人が出来たとしても「この人は私が痩せているから付き合っているんだろうか」だとか、「痩せてようやく恋人が出来たんだから、死ぬ気でキープしないと、受け入れてもらえないのでは」と思ったりしてしまいます。

根本的な自信が身についていないので、人と比べたり、人にどう扱われるかで自分の価値を測ろうとしたり、失うことへの不安がいつもあったり、人が自分の期待に応えてくれないととても傷ついたりしてしまうのです。これでは「心が安定している状態」とは言えませんよね。

変わることは、「否定していた自分を受け入れる」こと

対して、本当の意味で「変わる」と言うことは、「冴えない普段着のままの自分を受け入れる」ことです。先の例で言えば「太っていても痩せていても、自分は自分でどちらも同じ価値だ」と心から思えるようになることです。

もちろん『痩せておしゃれをしたり、異性と遊んだりするのが心の底から嬉しくて仕方ない』というのであればどんどんやるのがいいと思います。しかし「太っている自分はダメだ!」という思いが強い場合、「心の底から嬉しいから」と言うよりは「そうでないと自分に価値がないような気がするから」「そうやって何かを埋めていないと怖くて仕方ないから」という思いからやっていることがほとんどではないでしょうか。

しかし、そうやってかりそめの欲求を満たしていても、いつまでたっても「穴」は埋まりません。その穴は「ほかの誰かに埋めてもらう」のではなくて「自分で埋める」ことでしか埋まらないからです。

そして、周囲の人は自分の反映ですから、自分に対しても「痩せている自分はいいけど、太っている自分はダメ」と言うように、「キレイな部分はいいけど、醜いところはダメ」と裁いていると、自分自身もまた周囲の人に対して「あの人のここはいいけど、この部分はダメ」と裁いてしまいます。そして、周囲の人からも「都合のいい部分しか受け入れてもらえない」ように感じてしまうのですね。

全ては『「冴えない自分」を受け入れる』ことから変わっていきます。「冴えない自分」を受け入れることが出来れば、当たり前だったものが輝き始め、努力しなくても安心できるようになっていきますし、自分がどれだけ愛されていたかがわかるようになってゆきます。「キラキラした自分」は遠くではなく、「冴えない自分の中にしっかりと埋まっていた」と感じることがきっとできるでしょう。そうすると自然と、周囲の評価がどうでも良くなっていき、自分の軸や感覚を信じて生きていけるようになっていくのです。ある意味「変わり続ける」ということは、「自分で自分を否定していた部分を、どんどん許して開放していく作業」ということでもあるのですね。

そうは言っても「そんな汚い自分、とても見たくない!受け入れられない!」と思うかもしれません。しかし、受け入れる手順はとても簡単です。「本当は自分は心の底では何を思っていたかを知る」だけで出来るのです。

勇気を出して、こちらから向き合うことを選択すれば、内なる自分は必ず心を開いてくれるもの。大それたことをしなくてもいいので、まずは今日、自分が心で考えたことや思ったこと全てに「OK」を出してみましょう。どんな醜いことやずるいことも「そうだよね、わかるよ」と言ってあげましょう。そして、「自分が感じていることは全て、自分自身が感じたくて感じているんだ」ということを受け止めてみることからはじめてみましょう

まずは、『自分の方から心を開く』ことがスタートです。

ホントの自分は「本当に好きなこと」で癒す

ちなみに、本来の自分を認めてあげるための有効な他の手段として、「自分と向き合って認めてあげる」ほかに、「自分が心から好きと思えることをどんどんやる」という方法もあります。自分の「好き」や「得意」はそもそも使命と直結していて、基本的に、人間はそれを活かして生きるようシフトしていけば、何もかもうまく行くように設計をされているからです。

「好き」「得意」は特別なことを探す必要はありません。些細なことでもよいですし、一見、役に立たないようなことでもOKです。ポイントは、「ほかの誰のためでもなく、自分の満足のためだけにする」ということです。分からない場合は「今まで自分がやっていて少しでも楽しいと思ったこと」を探してみましょう。本来の自分が「遠くでなく足元」にあるように、自分の好きなことも必ず「とっぴな新しいことではなく、今までやってきたこと」の中にヒントがあるものです。

もしも本格的に自分と向き合うためのお手伝いが必要な方は、どうぞサロンに遊びにいらしてくださいね(*´v`)お待ちしております!

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