※この記事は、旧ブログの記事「許したいならまずは怒ろう」を再編集したものです。
日常でショックな出来事があったときや、いまだ消化できない「過去の出来事」には必ず「抑圧した怒り」が隠れています。この記事では「抑圧した怒り」を手放すための方法についてお話します。
怒りと愛情
ブロック解除などのセッションの際、お客様の「心のモヤモヤ」「不信感、不満感、恐怖」「あの件が心に引っかかって未だに消化できない」というような感情の源泉を探っていくと…「抑圧された怒り・哀しみ」が出てきます。そして、多くの場合、怒りの対象は自分が「ものすごく大切に思っている人」だったりします。
ご本人は驚かれたりすることもありますが、これはけして珍しいことではありません。というか、むしろ「大事な人だからかえって少しのことでも大きく傷ついた」「信じてたのに裏切られたように感じた」という側面があるのです。
そこで、その抑圧された感情を開放するためにオススメなのが「まずは感情的に怒る」と言うワークです。
そのようなご提案をすると、時々、
「えーっ!こんなに感謝してるし大好きなので怒れない」
「この人のことは本当に尊敬していて、悪く言いたくないんです」
・・・というご意見をいただく場合があります。
ですが、本当に許したいのなら、ここはしっかりと、怒りましょう!
そもそも、引きずり感やもやもや感が発生する要因は「感情が抑圧されたこと」にあります。
つまり「自分に対して、その場で感じきることを許さずに押さえ込んだ」感情が気づいてほしくて暴れている状態なのです。感情というのは感じればなくなるものなので、「今からでも感じることを許して、感じなおす」ことをすれば、そのしこりはなくなります。
怒りを吐き出すのは「けして相手を攻撃する」ためではありません。「自分の本心を認めて受け入れることで、相手も自分も許すこと」のが目的なのです。
攻撃するためではなく、手放すために怒る
「そういうわけで遠慮はいりません、この場でおおいに怒りましょう」
・・・と私がお話をすると、お客様から
「そうは言っても怒っても何も解決しないし…」
「相手にも相手の事情があったので…」
「こっちも悪かったから…」
というさらなる躊躇が出てくることもあります。それもまたよく分かりますよね。
ですが、そもそも感情の抑圧のメカニズムとしては…
①出来事が起こる
②①に対して感情を感じる(「快・不快」「喜怒哀楽」など)
③②に対して、頭で判断する
(例:「相手も大変だったんだから、許してあげなくちゃ」「自分にも非があるから怒る権利はない」「こんなこと考える自分は小さい人間だ」
という流れのなかで、「②を感じ切らないうちに③で押さえ込む」から抑圧が起きてしまうのです。つまり、②をしっかり感じてから③を考えていれば、基本的には感情のしこりやらブロックの発生源にはならないのですね。
したがって感情を感じ直す際は、安全な場所で「③は置いておいて、②を感じて、たくさんネガティブ感情を吐き出す」というのが非常に大事です。
ココでのポイントは、相手に事情があっても、自分に非があっても、怒っても何にも解決しないと思えても、一旦それらは横に置いておいて怒ると言うことです。また、ここでは理屈よりも感情にフォーカスし「いかに自分が悲しかったか、傷ついたか、苦しかったかを、ガンガンに吐き出すこと」が重要です。誰よりも自分の味方になって、100%感じ切るつもりで怒りましょう。
さて、それがひとしきりすんでから初めて「③②に対して、頭で判断する」という工程に入ります。
「相手の事情はどうだったのかな」
「現実的にどうしたらよかったのかな」
「本当は相手はどう思っていたんだろう?」
その上で、もし今から何か行動をとる必要があると考えたらしてもいいでしょう。
でも、奥まで感情をきちんと感じきることができていれば「急にどうでもよくなった」「なんだか前よりも相手の愛情を感じる…」という展開になり、「わざわざ今から掘りかえす必要もないや」となることも多いです。
上手な「怒り」の吐き出し方
では、具体的な「怒りの吐き出し方」について、ご説明します。
まず行う前に理解していただきたいのは「怒りを吐き出す」と「怒りをそのまま相手にぶつける」のは全く違うということです。「怒りを吐き出す」のは、自分の中の否定した感情を認めてあげるということであって、「激情のままに相手に伝えること」とは違います。
そう言うわけで、吐き出しは、その件に関係がある人とは一緒にいないときにしましょう。オススメなのは、一人でやるか、あるいはプロの「職業的に相談に乗ってくれる人」(カウンセラーなど)がいる場で行うことです。それと、まとまった時間と、怒っても泣いてもいい環境と、場合によっては攻撃したくなったときにそれを発散できるもの(殴ってもいいクッションや、破いてもいい新聞紙など)を用意しておくといいですね。
行うときには最初にしっかりと「手放すためにやる、癒しのためにやる」という意思を持ちます。そしてあとは好きなだけ、ネガティブなことを考えたり悪口を言ったり恨み言を言ったりします。言葉に出したり紙に書いたり、泣きわめいてもいいでしょう。ここでは言ってはいけないことはありません。自分を許し、好きなだけどんどん誰かのせいにしたり、言いがかりをつけたりましょう。勢いに乗って自分に酔うつもりでやると出やすいです。苦しくてもピークをすぎれば必ずスッキリしていきますので、中途半端なところではやめないようにしましょう。
涙や鼻水やせき、声や嗚咽など、体の中から出てくるものは全て浄化だと思って、どんどん出しましょう。
終わったときに始める前よりも、少しでもすっきりしたり感じ方が変わっていたら、「手放し」が行えている証拠です。
最後に
「許したい許したい」「許さなきゃいけない」「許したはずなのに何度も思い出す」「私あの件は気にしてないから!(実際は気になってしょうがない)」と思っているということは・・・その逆の感情「許せない」が自分の中にあるということに他なりません。
どうぞ、否定しないでそんな自分を受け入れてあげましょう。人間なんて、些細な事で傷ついて悲しんで引きずってしまうそういう生き物なのです。それが当たり前なんですから。
リアルタイムで起きたショックな出来事なんかも、感情を抑圧すると簡単にブロックになってしまうので、その都度「感じきる」ように習慣をつけるようにするととても良いです。モヤモヤのある方はどうぞトライしてみてくださいね。
「感情の感じきり」は、出来るようになるととてもパワフルな助けになってくれます。ただし、慣れないうちは一人ではなかなかうまくやりにくい部分でもあります。ブロック解除ワークや、個別のレッスン等でこのあたりはお伝えしておりますので、興味があるかたは一度、サロンに遊びに来てくださいね☆