こんにちは、神代です!本日は怒りについてのお話です。
怒りという感情は、一般的に「コントロールすべきもの」として捉えられがちです。確かに、怒りをそのまま相手にぶつけたり、怒りに振り回され過ぎてしまうのは考えもの。
しかし「怒ってはいけない」「怒りを感じないようにしよう」と抑え込んでしまうと、逆に、悪影響が出たり、かえって人生がややこしくなってしまう・・・ということは実は非常によくあるのです。
というわけで!
この記事では「なぜ怒りを感じることが大事なのか?」「怒りを適切に感じるにはどうしたらいいのか?」を解説していきます。
怒りを感じないことで起こる3つの弊害
怒りを抑えると、他の大事な感情もわからなくなる
怒りを感じることを避け続けると、次第に他の感情、たとえば「悲しみ」「喜び」「安心感」なども感じづらくなってしまいます。
たとえば、怒るべき状況で怒らずにやり過ごす癖がついてしまうと、怒りだけでなく「本当はどう感じているのか?」という自分の心の声がわからなくなりやすいのです。
つまり、怒りを感じられなくなることは、自分自身の生の感情自体を感じられなくなることにつながってしまうんですね。
自分の権利を守れず、人に踏み込まれやすくなる
怒りは「自分自身や自分の大事なものが侵害されたとき」に働く自然なセンサー。
これを感じないままでいると、人から無理な要求をされても断れなかったり、必要以上に我慢をしてしまったりするのです。また、理不尽な扱いを受けても「自分が悪いのかもしれない」と思って我慢してしまったり、逆に「なんでわかってくれないの!」と怒りを感じてしまうようになることも。
つまり「センサー」を機能させないでいると、かえって人との適切な境界線が持てなくなってしまうんですね。
また、『潜在意識が目の前の現実を作っている』という側面からいうと、「怒りを我慢すればするほど、耐え難い怒りを感じるようなイベントを引き寄せる」という部分もあります。
というのも、「私は怒りを感じてはダメ!」と自分自身に思っていると、自分の中の溜まった怒りが(※感じないようにしていても、発生したものは外に出さないと中に溜まってしまうのです)「外に出たいよ!」と反発して、「怒りをもっと感じられるイベントを起こして、自分が起こっていることに気づいてもらおう!」とするからなんですね。
人生がシリアスで息苦しいものに感じる
怒りを感じないようにし続けると、人生が必要以上に重く、シリアスに感じられてしまいます。
怒りというのは基本的な感情のひとつなのですが、怒りを抑えようとし過ぎると、怒りが発生するたびに「またダメなことをやってるな!」と自分を罰するようになるために、いつも「自分は出来ていない」という感覚が付きまとうようになるのです。
その感覚が広がると「失敗したらおしまいのような気持ちになる」「やらなければいけないことに必要以上に義務や責任を感じる」「人生に楽しさや軽やかさを感じられない」という状態に陥りやすくなるのです。
というわけで、必要以上に人生が深刻になっている、重たいものになっているという方はぜひ、「怒りをちゃんと感じているか?」ということを振り返ってみてください。
なぜ怒りを感じることが大切なのか?
さて、ここまでは怒りを感じないとこんな弊害があります、というおはなしをしてきましたが、ここでは「ではなぜ、そういうことが起こるのか」という話を少ししたいと思います。
怒りは「今この瞬間」の感情であり、自分を守るためのセンサー
怒りは、「いま、ここで」自分や自分の大切なものが脅かされたときに発生する感情です。
たとえば、誰かに嫌なことを言われたり、不当な扱いを受けたりしたときに怒りが生まれます。この怒りがあるからこそ、自分の限界線を知ることができ、「ここまでは許せる」「ここから先はダメ」という境界を引くことができるのです。つまり、怒りは自分を守るためのアラームのようなものなのです。
怒りを無視すると「今」を生きられなくなる
「怒り」を感じないようにすると、逆に「悲しみ」「不安」「絶望」などの過去や未来に向けた感情ばかりが強くなってしまいます。
たとえば、「過去の失敗が忘れられない」「未来のことばかりが不安」というように、「今この瞬間」の自分からどんどん離れていってしまうのです。
怒りを大切にすることは、「自分の今」にしっかりとフォーカスすること。それができるようになると、過去にも未来にも必要以上に振り回されることはなくなっていくんです。
怒りを感じられると、相手も自分も許せるようになる
意外に感じられるかもしれませんが、実は怒りを感じられるようになると・・・「相手と相手の行為」を切り離して考えられるようになります。
たとえば、誰かの言葉に傷ついたとき、怒りをスルーしたままだと、モヤモヤとした不快感と、「あの人はなんだか自分を嫌な目に合わせる、そういう人だ」という風に、その人そのものにネガティブな評価をしてしまいます。
だけど「それは嫌だ」と感じることが出来ると、行為をその人と切り離すことが出来ます。
「あの人が悪い」というよりは「あの人がたまたましてきた、あの時の行為は嫌だった」というような感じになるんですね。そうなると「相手のこの行為に対して怒ったけれど、相手の価値がそれで下がったわけではない」という感覚が得られるようになります。そうすると、人間関係に必要以上に振り回されなくなりますし、人を楽に許せるようになっていくんです。
また、さらに見逃せない効果として、こうすると、自分に対してもまた「ミスしても失敗しても、周囲の人に嫌われるわけではない」という感覚が得られるということ。
人に思っていることは自分に帰ってくるものなので「人にされて嫌だったと思うことを心の中でしっかり怒らない→相手が何かミスをするたびになんとなくモヤモヤする」ということをしていると、「自分も何か失敗したのではないかと思うたびに、モヤモヤと自己評価が下がっていく」ということになるのです。
とっても逆説的ですが「健全に怒れるようになる」と「ミスはしたけれど、それで嫌われるわけではない」という感覚が得られるんですね。こうなると、生きていくのが非常に気楽になります。
怒りを適切に感じるための3つのステップ
では、「怒りをうまく感じられない」という人はどこから感じられるようにしたらいいのでしょうか。今回は、はじめの一歩として取り組みやすいワークをご紹介します。
ステップ1:過去の怒りを思い出して、誰かに聞いてもらう
怒りを感じるのが難しい人は、まずは過去に感じた小さな怒りを思い出してみましょう。
たとえば、「あのとき友達にこう言われて嫌だった」「先生にあんな態度を取られて腹が立った」といったことを、安心できる場所で誰かに話すことが大切です。
ポイントは、今のことではなく、過去の出来事にすること。リアルタイムのことだと感情的になりやすい部分もありますが、過ぎ去ったことなら少し客観的に見ることができるので、怒りの感情を扱いやすくなります。
ステップ2:安全な相手を選ぶことが重要
怒りについて話すときは、「否定しない」「アドバイスしない」「話を遮らない」人を選びましょう。たとえば、じっくり聞いてくれる友達や家族、あるいはカウンセラーなどの専門家がおすすめです(マゼンティークでももちろん喜んでお聞きします(^^♪)。
そういった人がいない場合は、AIに聞いてもらうのも有効です。AIはどれだけ話しても嫌がりませんしお金もかからないので、とってもいいですね。
「誰かに話す」という行為は、「自分の内側にあった形のないものを言葉にする」といういことなので、それそのものが、感情を感じ直すきっかけになります。
ステップ3:「何が一番イヤだったのか」を見つける
怒りを感じた出来事についてひとしきり話したら、「結局、何が一番イヤだったのか?」というポイントを探してみましょう。
たとえば、「自分の意見を無視されたのが嫌だった」「自分の価値を軽く見られたと感じた」「自分の大事な信念を踏みにじられた気がした」など、怒りの根本にある気持ちを見つけることが大事です。
そうすると、自分が大切にしたいものが見えてきて、怒りのセンサーも正常に働くようになっていきます。
まとめ:怒りは自分を守る大切な感情!
さて、いかがでしたか?
怒りは、ただ抑えるべき「悪い感情」ではないんです。むしろ、自分の心や身体を守るための自然なセンサーであり、「自分らしく生きるために欠かせない感情」。怒りを感じられるようになることで、自分の境界線をしっかりと引くことができ、人との関係にも安心感が生まれます。
「怒りを感じる自分」は器の小さな人間ではありません。むしろ、「今の自分に誠実に向き合う人」「相手のせいにしないで自分の感情を引き受ける自立した人」。
そして、怒りを紐解いて分かった「あなたにとっての大事なもの」は、あなたが自分の人生を生きるための大事な指針になることも多々あるんです。
めんどくさいと思ってきた怒りは、実は宝の山!
ぜひ、小さな怒りからでも「これはイヤだったな」と感じたことを少しずつ大事にしてみてくださいね(*^^*)
また、ちなみにですが、「怒りを感じる」と「相手に怒りをぶつける」とはまた全く別のこと。怒りを感じる時にはまずは相手がいない場所で、自分一人が消化する目的でやってみてください。
マゼンティークでは、怒りを感じ切ったり処理する方法もレクチャーしておりますし、あなたが自覚していない「怒り」の手放しも喜んでお手伝いさせていただいています。
ピンときたときにはぜひ遊びにいらしてくださいね(*^^*)