霊能力と生きづらさ~自分の『面倒くささ』と付き合う~

私が霊能力を用いているのを見て「特別な才能があって羨ましい」「そんな風になりたい」「スイスイ高次の人たちとつながれたら、困ることなんてないんでしょうね」とおっしゃってくださる方がいます。

とてもありがたいご意見なのですが、「霊能力」というのはただの「特性」に過ぎないので、必ずしもいい面ばかりでなく実は「それが備わっているばかりに生きづらさがある」という部分もあるのです。

お仕事の際は、セッションに支障がないように体調やコンディションをきちんと整えたうえで臨んでいます(支障が出るほど体調が悪い時はそもそもご予約はいただかないようにしています)し、「高次の人たちに体を貸しているだけ」というような側面がありますので、お仕事中の私は「個人としての私」とは少し違う部分もあります。

しかし、私もプライベートでは普通の人間なので、それなりに悩みがあったり変化もあったり、時にはショックな出来事が起こったりもしますから、現在進行形で自分の『生きづらさ』に対していろんな工夫をしつつ生活しているというのが実際のところです。

ということで今回の記事では、「『霊的に敏感な気質』というものに対する現実的な部分を知っていただきたいな~」という意味と、また、『霊的に敏感な気質のある方』の参考にもなるかなという思いもありまして、『私自身の霊的に敏感であるがゆえの生きづらさ』とその部分とどう付きあっているかということについて書かせていただきます(*´v`)

※ちなみに、これは先天的に霊的に敏感である場合の話で、後天的に霊感を鍛えた場合(チャネリングを練習して習得した場合など)のことではありません。

☆姉妹記事:「霊感」で消耗しない方法~繊細すぎて疲れやすいあなたに~① 

『入ってくる情報量の多さ』と付き合う

霊感は『第六感』と呼ばれるくらいですので、『五感以外から外部からの情報を受け取る回路』と言えます。

そのため、先天的に霊感が強い人はどうしても『霊感を用いてない人よりも、情報がたくさん入ってくる』、言い換えると「周りからの刺激にとても敏感である」「情報を取り込みやすい」ということになります。例えていうなら、同じ状況であっても霊感を用いてない人は10くらいの情報を感じるところを、霊的に敏感な人の場合は20くらいに感じてしまう、という部分があるのですね(どれくらい感じるかはかなり個人差があるので、20という数字はかなり適当に入れています)。

※余談ですが、以前掲載した記事:(「霊感」で消耗しない方法~繊細すぎて疲れやすいあなたに~① )でも触れていますが、霊的に敏感であるという場合「エンパス」「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と言われる人たちと特性が共通するということが多々あります。気になる方はネットで検索してみてください。

人の扱える情報の量には上限がありますから、そのような理由から、何の対策もしなければ「自分が処理できる以上の情報がたくさん入ってきてパンクしてしまう」ということが起こります。これは、イメージとしては、スマホやなんかでも、沢山同時にアプリを起動したり、容量の重たい動画を同時に再生しようとすると、スマホの処理できる能力を超えてフリーズしたり動きがとっても悪くなったりする…ような感じに似ています。精神的な側面で例えると、『仕事も家庭も大変な状況で、やることがいっぱいあるのに、ガンガン電話もかかってきて、もう大変』みたいな感じでしょうか。処理できる能力を超えるので、正常に動作しなくなりますし、負担もかかってしまうのです。

私個人としては、自尊心を高めてコントロールの技術を習得できるようになった今、霊感を職業として使いまくっても支障がないほど暮らしやすくなってはおりますが、その実、完全に何の心配もないという状態でもなかったりします。というのも、霊感をコントロールしてスイッチを切るというのは、「100%完全に切れる」というものでもないからです(ものすごーく熟練になればもしかしたらできるのかもしれませんが、少なくとも現時点での私自身はできておりません)。これは、聴覚でいえば「耳を塞げば、ある程度の音はシャットダウンできるが、どうしてもうるさい音は聞こえてしまうし、自分に必要そうな音はついつい聞こうとしてしまう」というようことに少し似ています。キャッチできる器官がある以上、どうしても「とらえようと本能的にしてしまう」部分があるのですね。

さて、そういう理由から、この『情報の洪水問題』について私がとっている対策としては『プライベートではきちんとオフにすること』というのがまず大前提にあります。

そして、その他の工夫としては『必要でなさそうな情報はなるべく入れない』『自分のエネルギーに合わなそうなところには行かない』『疲れを感じたら早めに刺激が少ない環境を確保する』というような感じです。

また、とりわけ大切にしているのが『とても疲れているとき、非常に落ち込んでいるときなどは人(高次の存在含む)と接触しない』ということです。『体調が悪い時』『余裕がない時』『非常にショックを受けているとき』などは、そもそも自分の体調や感情の処理に手いっぱいなので(第六感が敏感であると、自分の体調や気持ちを感じる際も、奥深く細やかに感じる傾向があるので、一般の人よりもエネルギーを要しやすいのです)、対人に対するエネルギーを処理したりコントロールをすること自体が大変だったりします。そういう状態で誰かの思念を受けるのは『処理しなければいけない情報が入ってくる』ことになるため、相手が善意でしてくれていた場合であっても、どうしても負担が大きくなってしまうのです。

そういうわけでプライベートの友人などには、どうしても体調が悪い時や感情の処理に時間がかかったりしそうな場合などは、「時間がかかるからしばらくそっとしておいてほしい」と事前に伝えて連絡を絶ったりすることもあります。

また、『情報が多すぎる』ことに関して有効な対策のひとつに『アウトプットを意識的にたくさんする』ということも挙げられます。入ってくる分、意識的に自分からエネルギーを吐き出すと、バランスがとりやすいからです。
私もよく、考えていることを紙に書き出したり、こまめにブロックを解除したり、気持ちを整理するために言葉にしたり文章にしたり絵を書いたり…ということをやっています。地味なようですが、きちんと習慣にするととても有効な手段です。

『体調の波』と付き合う

霊的に敏感な人すべてに当てはまるかは不明ですが、私自身は比較的「体調の波があるほう」だと思います。

季節の変わり目(おそらく気圧などの変化を感知しているものと思われます)や自分自身の大きな変化の前後や最中などは特に、体調が変わりやすかったりします。体調が悪い時には頭痛や体の重さや疲れを感じたり、考えが非常にネガティブになったりします。場合によっては1週間くらいほとんど寝っぱなしの時もあります。

この「体調の波の大きさ」については、先にも触れたとおり、「感覚が鋭敏な分、自分自身の潜在意識や体調に関しても細かく処理する」というところにあるのかな、と考えています。

これについてどのように工夫しているかというと、まずは「体調が悪くなってもへこまない」ということがまず大切です。体調が良いのが当たり前と思うと、具合が悪くなった時に非常にガッカリしたりつい自分を責めたりしがちですが「悪くなってもいいや」「そのうち良くなるだろう」「(体調が悪い時は)これで体がバランスを取ってくれてるんだから逆に感謝してもいいくらいだ」と思えるようになると、不要な消耗を避けられてとっても楽です。

次に「自分の体調の波をよく読む」ことも有効です。大体調子の悪くなる時期には規則性がありますので、それを踏まえて予定を立てます。
また、「調子悪くなってきたな」というときには大体決まったパターンがあります。例えば私の場合は、調子が悪いと「お風呂を沸かすのが極端にめんどくさくなる」「文字情報がうるさく感じる」「炭水化物ばかり食べたくなる」「車の駐車が一発でできなくなる」みたいなことが起こります。疲れや体調不良はなかなか自覚ができない部分もありますが、そういうサインを知っておくと「あ、そろそろ休んだ方がいいんだな」「調子が悪いみたいだな、自分に優しくしよう」という風に気が付くことができます。

「私も調子の波がある方だなあ…」と感じられた方はぜひ、「疲れた時の傾向」を書き出してみたり周りに聞いたりして知っておくといいと思います(*´v`)

『エネルギーのずれ』と付き合う

エネルギーを無意識に認識する癖がある私にとっては、「エネルギーのずれ」というのは実は結構なストレスになります。これまでお仕事で私と同じような気質を持つ方ともたくさんお話をしましたが、この「ズレ」が苦しいというのは霊的に敏感な方には割と共通しやすい部分のようです。

「ズレ」というのは例えば、「本音と建て前がかけ離れている」「口で言ってることとやってることが違う」というように、同じ物事に対して複数の矛盾する側面を持っていたりすることを言います。これは、自分でそのような行動を取ってもストレスになりますし、そのような行動を沢山とる他者と関わるのも混乱の原因になったりします。

人間というのは相反する感情やいろんな感情を抱えて生きているのが当然の生き物なので、ズレがあるのが悪いというわけでは決してありません。ただ、エネルギーに敏感な場合、そのズレがいわば「不協和音」のように感じられ、また、相反する2通りのエネルギーを同時に感知して処理しなければいけなくなるため、どうしても消耗しやすくなります。結果、そういった「ズレ」のある生き方をしたり、そのようなエネルギーが強い場所や人と接触し続けたりすると無意識のうちにとてもすり減ってしまうのです。

とりわけ、繊細でかつ自尊心が低い状態だと、「相手に合わせなきゃいけない」という生き方になりやすく、「本音を我慢して相手に合わせる」というように、自分から進んでそのズレを生じさせて生きていこうとする傾向もあります。ですが、エネルギー的な意味でも過剰な負担がかかりすぎるために、そのように生きていると心身のバランスを崩す方が非常に多いです。

さて、この「ズレ」が負担になりやすいという特性に関しての工夫としては『まずは自分がシンプルに生きるよう心掛けること』が何より大切です。なるべく隠し事や嘘がなく、シンプルに生きられるようにすれば、自分の放つ波動もシンプルなものになりますので、自分の心身の処理に費やすエネルギーも少なくなります。また、そういう波動を放つことで、シンプルな人が周りに引き寄せられるので「ズレが苦しい」という環境に触れる機会はおのずと少なくなっていきます。いきなりは無理でも「なるべくシンプルに」「我慢しないように」と心掛けるだけで違ってくるのではないかと思います。

また、「ズレ」に自覚的に接するということも大切です。私個人としては、自分が矛盾した感情を持っていると思った時には、きちんとそれを認識してどちらも認めてあげたりするようにしています
また、接している相手が複数の思いを持っているために自分に何を求めているのかわからなくて混乱するときなどは、「どうしてほしいと思っているのか教えてほしい」とストレートに教えてくれるようにお願いしたり、自分の特性を伝えて話したりなどすることで、コミュニケーションの『段差』を埋めるように努めています。

正直なところ、このあたりをわかってくれる人が全てではないとは思いますが(私の伝え方もまだまだ勉強中である部分もありますので)、少なくとも「無理して合わせよう、やり過ごそう」とするよりはずっと、自分にも相手にも誠実なのではないかなと思っています。

「あ、私もあるかも」と思ったあなたへ

さて、ここまでお読みくださって、多かれ少なかれ「私にも当てはまるなあ」と思うことが合ったあなたは、きっとお役に立つヒントがあったのではないかと思いますので、是非できることから試してみてください。

ここまでの私の工夫をまとめますと

☆情報がたくさん入ってくる
 ・プライベートではきちんと霊感のスイッチはオフにする
 ・自分に必要でなさそうな情報はなるべく取り入れない
 ・自分のエネルギーに合わなそうなところには行かない
 ・疲れを感じたら早めに刺激が少ない環境を確保する
 ・疲れているとき、非常に落ち込んでいるときなどは人と接触しない
 ・アウトプットを意識的にする習慣を持つ

☆体調の波がある
 ・体調が悪くなってもへこまない
 ・自分の体調の波をよく読む
 ・体調が悪くなるサインを知っておく

☆エネルギーのズレで疲れやすい
 ・なるべくシンプルに生きる
 ・相手が何をしてほしいかわからない時は正直に尋ねる

という感じになります。

あとは、同じような特性でお困りの方にアドバイスすることがあるとするならば

・何はなくても自尊心を鍛えること
・自分の特性を責めたり変えようとせず、工夫で補う気持ちを持つこと
・自分の特性はきちんと相手に説明する姿勢を持つ

…という感じでしょうか。

どれもとっても大切なことですが、最後の「きちんと相手に説明する」ということに関して少し説明を加えます。

これは非常に大切なことなのですが繊細な方はどうしても相手の方に説明せずにわかってもらおうとしてしまいがちな傾向があります。なぜかというと、「(繊細な)自分は相手が言葉にしなくても気持ちを察することができるので、相手の方も言葉にしなくても察してくれるのが当たり前」というような感覚についついなりやすいからではないかと思います。

かくいうかつて私も10年くらい前は「こんなに私が辛いのに何でわからないのかしら!配慮してくれないのかしらヽ(`Д´)ノ」みたいな気持ちになっていたこともあります(笑)ですが、世の中にはまだ「霊的に繊細でない方」の方が大多数です。この感覚や生きづらさはこういう特質がない人にはわかりませんし、そこには悪意はありません。生まれるとしたら「わからないことによる行き違い」なのです。そういうわけで、その部分を少しでもわかってもらうためにはどうしても「言葉で説明する」ということが必要なのです。

最初から上手に説明しようとする必要はありません。まずは伝えようとする姿勢が大切です。できることからでいいので「自分はこういう特性がどうやらあるらしい」ということや、これは「特性」であり「相手や自分の気持ちとは関係なくそうなってしまう」ということもできれば伝えられるようになると、とっても生きやすくなるのではないかなと思います。

「面倒くささ」と付き合うということ

さて、長々と書きましたが何かの参考になりましたでしょうか。

「自分も繊細だと思う」という方にはきっと何かのヒントになるのではないかなと思いますし、「全然自分は繊細ではないけど、周りにそういう人がいる」とか「霊感って魔法みたいで憧れる!!」というように思っていた方にも、「おお、そういうことなのか~」というような新しい視点が加わるきっかけになれば幸いです(*´v`)

「霊感がある」ということは決して華々しいことばかりではなく、このような「工夫が必要な面倒くさい部分」というのが多々あります。20代前半くらいまでの私は自尊心もとても低かったため「霊感があるせいで生きにくい」「みんなにわかってもらえない」というネガティブな気持ちでいつもいました。今も調子が悪くなったりすると「あー!わたしって面倒くせえなあヽ(`Д´#)ノ 」みたいな心理状態になることがあります(笑)

ですが、今では私は、自分はこれでいいと思っています。情報のコントロールに気を遣うのが面倒だったり、体調を崩すことがあったりしても、それも含めて大切な自分だと思っています。実は、霊感の便利さよりもむしろ、霊感に伴うこの「めんどくささ」の方が自分に与えてくれているものが多いのです。それは、自分の思い通りにならないことを受け入れたり、不便な部分を工夫したり、人と歩み寄ったり互いの違いを理解したり…というスキルのほうが、チャネリングができるよりよっぽど人として生きる上では大切だからです。

かつては「ここに行きたいのに調子が悪いから行けない」とか「人は心配してくれてるのに応じられなくて申し訳ない」とかいろんな風に自分を責めていましたが、今となっては「それくらいでできないようなことはそもそも自分には必要のないこと」なのだとも思えるようになりました。そして「できるところを理由に自信をもつ」よりも「出来なかったり面倒くさい部分もケアして愛してあげる」というほうがずっと、自分を大切にすることができるということを知りました。「未熟さをそのまま愛する」というのが人間として生きる上ではとっても大切なのだとも思えるようになりました。何もかもできるようになるよりも、そっちのほうがよっぽど自由で豊かに生きやすいのです(*´v`)

さて…どんな人にも「特性」があります。特性は「才能」でもありますが、見方を変えれば「生きづらさ」でもあります。なぜなら「才能」は稀少であるから「才能」と呼ばれますが、稀少であるということは「大多数の人にはわかってもらえない」ということであるからです。私の場合はたまたま「霊感」でしたが、これは特別なことではないと思っています。「私は霊感なんて全然ないよ!」という方にもきっと、私にはない「才能」があり、そしてそれに付随する「生きづらさ」が必ずあることと思うからです。

自分らしく生きるためには自分の特性をよく知り、いいところを伸ばし、生きづらい部分は工夫をし…というように生きていくことが大切だと私は思います。

さて、あなたの特性は何ですか?どんな癖があって、どんな傾向があって、どんなことでよく困っていますか?

もしこの記事を読んで、何かを感じてくださったのなら、今日は「自分の生きづらさ」について少し考えてみてください。そしてそれを責めたり直したりない振りをしたりしようとはせず、「どうしたらもっと合理的に快適になるか」という視点で工夫をしてみてください。きっと違った世界が開けてくるはずですよ(*´v`)

<追記>

この記事ではプライベートな自分の特性について書かせていただきましたが、お仕事の際はきっちりスイッチを入れ、霊感はフルオープンで対応させていただいておりますし、ワークの際にはエネルギーもガンガン流させていただいております。これについてはきちんと訓練と自己管理をした上で、責任をもって楽しくお仕事をさせて頂いております。どうぞセッションの際はご心配やお気兼ねなくお越しくださいませ(*´v`)

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