※この記事は内観ってどうやるの?①~「過干渉のお母さんブロック」の場合~の続きです。
まだお読みでない方は、そちらからご覧くださいね!
こんにちは、神代です(*^^*)
さて、前回までは、「干渉される母親」との関係性を重荷と感じていたが、実は今まで『縛りあう関係』で愛を確かめ合っていた…ということが腑に落とせたら、というところまで書かせていただきました。
今回の記事では、その続き、「今までは縛りあう関係だったけど今後はこのルールを変えたい」と決めた場合、セッションをする側としてどのように方向付けをするか…という一例をご説明します。
(注:以下の手順ややり方は、状況によってかなり異なり、あくまで一例です。
また、これは訓練や試行錯誤の末に行っている誘導です。誰かのブロックを指摘することは、相手の方にトラウマや誤った認識を与えてしまう危険性も伴いますので、自分自身のしっかりとした内観の経験がない方は、周囲の人のブロックに対しては積極的に介入しないようにしてください)。
①自分がそう仕向けていた、ということに納得する
まずは「今までの関係は苦痛であると思っていたけど、これも私が相手にやってもらっていた愛の甲地だったんだ」という『仕組み』をまずは頭で理解します。ポイントは「相手にされている」ではなくて「相手が自分のやりたいことに付き合ってくれている」という感覚を持つことです。
ここでもし「でも、だって」が出てきて進めない場合は、消化されていない「怒り」があることが多いので、「怒りをしっかりと感じる」ということをまず行います。
(「怒りの感じ切り」に関しては長くなりますので、また別の機会に触れますが、興味のある方は、2年ほど前に書いたこちらのブログ記事を参考にしてください)。
それでもまだモヤモヤしたりするのであれば、また改めてほかの理由がないかどうかを掘り下げる必要がありますが、ここですんなり納得して、すっきり感があったり、大きく心が動いたり、涙が出るなどの反応があれば、先に進むことができます。
②ブロックの代わりにどうするかを決める
この際にただブロックを手放したくなってしまう人も多いのですが、それだと、『なくなった後に、どうバランスをとっていいのかわからず、また元のパターンに戻っていってしまう』ことがよくあります。ですので、何かを手放すときには必ず『これからは代わりにどうするか』ということを決めていきます。
ここではクライアントさんに直接どうしたいかをおたずねし、例えばクライアントさんが『「信頼」「安心」「互いの解決能力を信じて、見守りあう関係」がいい!』と決めたとしましょう。
まずは、それでお互いがつながっているようなイメージを頭の中で描きます。ここで大切なのは、「相手がそうしてくれる」イメージではなく、「自分からそれをして、対等にお互いにそれをしあっている」というイメージを持つことです。
③イメージを持ち、書き換える
ある程度イメージが描けたら、「そのような関係の二人であれば、こんなことが起こった時はどうしますか」という質問をいくつかして、より具体的にイメージしてもらいます。
例えば、「自分が新しいことに挑戦したいとき、これからは何と言ってくれる?」というような質問です。『干渉で縛りあう関係』であれば、あれこれ口を出されたり反対されたりするでしょうが、『信頼と見守りの関係』ということであれば、何と言ってくれると思いますか?」というように質問を投げかけたりします。そうすると『「いいんじゃない、やってみたら」「応援してるよ」と言ってくれる気がする』などとクライアントさんが答えてくれたりします。
その際に、「今まで、明確ではなかったかもしれないけれど、『やってみたら』と後押ししたり、実は応援してくれていたということはないですか?」と聞いてみることもあります。
そうすると、「あ、そういえば、今思うと小学校の時のあれは、応援だったのかもしれないです」「あ、反対されていたと思っていたけど、なんだかんだほかの家族には○○と言ってくれていたと聞きました」というように、『実は既にそういう関係で結ばれていた部分があった』ということが明らかになったりします。
これも内観でよく起きる現象なのですが「これからはこうする」ということを決めて、今のエネルギーを書き換えることができると、遡及して「最初からこうでした」ということが明らかになるのです。そうなると、このブロックはもう外れている、と判断できることが多いです。
④行動して現実に定着させる
さて、ブロックが外れたからといてここで終わらせることはしません。ブロックは外れてもまたすぐに戻ったり、また、『外れたふり』をしてやり過ごすことがあるので、この状況をしっかりと現実に定着させる必要があるのです。
この例では「『安心と信頼に基づいた関係である』という前提で、実際に相手に何か行動を起こしてください」とクライアントさんにお伝えします。
これは例えば、『メールなどで相手に「いつも信頼してくれてありがとう」と伝えてみる』とか『相手が否定するだろうと思って言わないで置いたことを勇気を出して言ってみる』とか、そういった類の行動です。この行動は、一般的には照れくさかったり、勇気のいるものであればあるほど、効果が大きい傾向があります。
しかし、ブロックを外した時点で相手の潜在意識にも影響を及ぼしているため、次に会ったときに、相手が見違えるほど穏やかになっていたり、今まで言わなかったようなことを言ってくれる場合がありますので、今までよりもおそらくかなり行動しやすくなっているはずです。
また、ブロックには多くの種類がありますので、一つを手放しても現状があまり変わらないことも時にはありますが、しっかりとブロックが外れると、クライアントさん側の「気持ちの持ちよう」がすでに変わっています。そのため、仮に「やっぱり干渉されてしまう」という状況があっても「不思議と前より気にならなくなった」「愛情の裏返しなんだなと思うと、いい意味でどうでもよくなった」というご感想をいただけることが多いです。
ちなみに、やはりまだ不快感があるという場合は、まだ大きなブロックが隠れているので、掘り下げて考えてみる必要があります。また、「やることで前よりさらに問題が大きくなった」…という場合は、いわゆる『好転反応(よくなる前の、膿が出てくる状況)』であったり、あるいは、潜在意識が本格的に変わっていくのを恐れて引き起こしている『妨害・抵抗運動』であったりしますので、興味のある方は引き続き掘り下げてみるのをお勧めしています。
ただし、ブロックはやみくもに外せばいいというものではなく、どんな人にもあるものです。ブロックをなくそうとすることを目的にせず、「その時の自分はどうしたいのか」を整理すること、そして、ブロックが把握できていようがいまいが、「うまく届いていなくても、必ず愛があるんだな」と信じるということが大切になってきます。
さて、長くなりましたので、②以降はまた次回以降に(*^^*)
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