「シンプルに生きる」ということ~思うとおりに生きられないあなたに~

「シンプルに生きたい」と願う人は多いと思います。でも現実には、過ぎたことをいろいろ考えてしまったり、これでいいのかいつも不安になったり、自分が望んでいることといつも違う結果が現実に起きてしまったり、人目が気になって何がしたいのかわからなくなったり、誰かと接する際にもあれこれ考えすぎてしまって疲れてしまう…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

シンプルに生きようということを謳った書籍なども世の中には多く出ているようですが、「こう出来たらいいのに」ということがわかっていてもなかなかできない…という方もまた多いと思います。そのように「シンプルでいられない」理由は、端的に言えば「自分の中の矛盾する気持ちが本当にやりたいことを邪魔してしまっているから」です。自分の中の隠れた気持ちを無理やり無視して進もうとしても、結局は自分の気持ちを押し込めてしまうことになるため、正体不明の違和感や不安が浮かびあがってきてしまい、自分の中で何とか消化しようと長い時間思い悩むようなことになってしまうのですね。

自分らしく生きるためには「シンプルである」ということはとても大切なこと。そういうわけで今回の記事では「シンプルな状態とは何か」「シンプルでない(自分の中に矛盾する気持ちがたくさんある状態)だとどうなるか」ということをエネルギーと潜在意識という側面からご説明しながら「シンプルになるにはどうしたらいいのか」ということを考えていきたいと思います。

「シンプル」な状態とは何か

さて、皆さんは「シンプルな人」というとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

『周りに振り回されずに判断ができて、自分の気持ちに素直で、大切なものが決まっていて、余計なものは持たなくても幸せでいられる』…そんな感じでしょうか。

こういった人はエネルギー的な観点から言えば「自分の気持ちに矛盾が少ない人」「自分の本当の望みをよく知っている人」と言えます。この「矛盾」について少し詳しく説明していきますね。

人の意識は『自分で自覚している意識(顕在意識)』と『自分でも理解していない意識(潜在意識)』の2つに分かれています。顕在意識は意識のうちでたったの4~7%程度と言われており、ほとんど大部分は潜在意識です。つまり、我々は「自分が考えていることのほんの一部しか自覚していない」で生きているのですね。そして、人間というのは一度にいろんなことを並行してたくさん考えており、一つのものについてもいろいろな感情や考えを持っているものなのです。

さて、わかりやすくするためにここでたとえ話をさせて頂きます。

「結婚したい!」と思っている人がいるとします。顕在意識では『絶対に結婚したい』『何歳までにしたいけど、できるだろうか』と考えているくらいだったとします。しかし、潜在意識で結婚についてどう思っているか見てみると…『自分は結婚できるような人間ではない(自分にその価値はない)』『結婚してしまうと両親がさみしがる(だからしたくない)』『結婚したら不幸になるからしたくない(両親の結婚生活が大変そうだったというトラウマから)』『正直、あまり結婚に興味がないが、社会的にしておいた方がよさそうだからしなければ(周りの目を気にしている)』『生活が変化するのが面倒だ』『結婚して失敗してしまったら傷つくからチャレンジしたくない』…ということを考えていたりします。そしてもっと深いレベルの思念を読み取ってみると『最終的には今世で結婚できることを知っているので、今は「結婚したいのに出来ない」という貴重な体験をもう少し楽しんでいたい』と考えていたりもするのです。

多くの場合、この「潜在意識の思念」は自覚されずに隠れています。結婚したいという顕在意識に反して、潜在意識の「結婚したくない」という思いがはるかに強いと、そちらの「結婚したくない」という現実を知らず知らずのうちに引き寄せている…というようなことになるのです。

そうなると「自分の望みだと自覚していること」と「現実の状況」にズレが生じます。矛盾が多ければ多いほど、人生のあらゆる局面や環境でこの「ズレ」が出てくるのです。そしてズレが出てくるほどに、本当の自分のしたいことや気持ちがどんどん見えなくなり、一番大事な自分の気持ちよりも他の物を優先してしまうため、どんどんシンプルでいられなくなるというわけなのですね。

誤解がないようにお伝えしておきたいのですが、この「矛盾がある」「たくさんのことを考えている」というのは決して悪いことではありません。ただ、この「自覚なく潜在意識で考えていること」が「顕在意識で考えていること」と強く矛盾していると、いわば「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」ような状態になり、生活が複雑になってしまったり、生きにくさを感じてしまいやすくなることにつながってしまうということなのですね。

シンプルな人とそうでない人の違い

さて、シンプルに生きられる人は、この矛盾が比較的少なかったり、「自分のネガティブな感情」との付き合い方が上手だったりします。ここでいうネガティブな感情とは、潜在意識で抱えている、自分や周りを責めたり、やりたくないという後ろ向きな感情だったり、自分が抱えている傷やトラウマだったりというような負の思いを示します。

シンプルな人は、自分がネガティブな感情を抱えていることを知っても「ああそうなんだ」と肯定したり、上手に表現して吐き出したり、多くの思いの中から「結局は何を優先するべきか」ということが選び取ることが上手です。

シンプルになかなかできない…という人は、どうしてもこの負の思いを押し込めて「なかったことにしよう」としてしまいがちです。そして、自分の気持ち以外のもの(周囲の都合や社会的ルールなど)をついつい優先してしまいがちです。そうすることでまた矛盾する気持ちやトラウマが発生して、ますます混乱するような方向に繋がってしまいやすいのです。

ここまで読んで「うーん。私はシンプルじゃないな…」と思った方がいらっしゃるかもしれません。ですが心配はいりません。この、矛盾を上手に扱うというのはある意味で「スキル」なので、コツコツやっていくと誰でもきちんと身に着けることができます。そして、上手に扱って行けば行くほど、「矛盾」が解消されるのでどんどんシンプルに生きやすくなっていくのです(ちなみに、かねてよりブログで繰り返しお伝えしてきた「自分と向き合う」というのは、この「矛盾と上手に付き合う」ということととっても近い意味です)。

それでは、具体的に目の前の現実にシンプルに対応できない時に、「矛盾と上手に付き合う」ための方法をいくつか紹介しましょう。

矛盾と上手に付き合うには

①まずは自分が抱えているネガティブな思いを知る

ネガティブな思いと直面するのをとっても恐れる方がいますが、実はあらゆる思念は「きちんと感じきればなくなる」ものです。ネガティブな思いであっても、ちゃんと腹の底から感じきれば、『成仏』してくれます。ネガティブな気持ちや不安が強いのは、『まだ感じきっていない部分が残っていて、消化不良を起こしている』部分があるからです。

そういうわけで、まず最初のステップとして『自分が何を感じているか』というのを知るのがとっても大切です。多くの場合、都合の悪い思念は人は潜在意識に押し込めて、自分の目の届かないところに隠してしまおうとしてしまいがちなので、「シンプルでいられないなあ」「どうしていいかわからないなあ」というときには、『自覚していないけど感じておいた方がいい思念が隠れている』という観点で、「自分は何を感じないふりをしているのかな」と自分と向き合ってみるといいでしょう。いろんな思いが出てきたときは裁かずに「そう考えていたんだなあ、なるほど」と受け止めるのが良いです(感情の感じきり、などについてはこちらの過去記事も参照してみてくださいね)。

ついつい「そんな失礼なこと考えちゃダメ」「自分だってできていないのに、人のことは言えない」「あの人のことが好きだしこんなことを思いたくない」と蓋をしてしまいがちですが、思念は自然に発生するものなので、それ自体に罪はありません。また、好きな人に怒りを感じていたとしても「怒りを感じているからと言って、好きという気持ちが嘘というわけではない(両方、両立することである)」ということもよく知っておくといいでしょう。

ちなみに、矛盾が多い状態の場合、ついつい「白黒つけたくなる」という心理になることが多いです。その人のことを少しでも嫌いと思ってしまったら「100%嫌い」という風に解釈してしまいたくなるので、「嫌い」という気持ちを押し込めようとするのですね(多くの場合、この「白黒思考」は自分の矛盾を処理せずに蓋をするために、よく人間の意識が使おうとしてしまう手段のひとつです)。ですが、人間は矛盾に満ちた生き物ですので、「大好きだけど大っ嫌いもあり、そして面倒くさいもあるけど、最終的にはやっぱり大事」みたいなことも非常によくあります。大切なのは、「一つ一つの思念ごとに切り分けて、それぞれをしっかり感じること」そして、「いろいろな気持ちを感じ終わった末に(感じる前に判断しないことです)結局はどうしたいのか、何を優先したいのかをよく考える」ということです。

 

②行動しながら気持ちを確かめる

潜在意識に矛盾が多いときは、多くの場合自分を否定したり傷つけたりするような思念が多いです。
そういう理由もあり、ポジティブな変化を起こそうとしたり幸せになろうとすると「お前なんか幸せになる価値はない」「周りは認めてくれない」「ほら、前にもこんな風に失敗しただろう、今回もうまくいかないよ」というように、前に進むことを押しとどめようとするのですね。そして、ちょっとでもうまくいかないことがあると「ほらやっぱり、お前はダメなんだって。もうやめとこう、みっともないよ」というように、元の道に引き戻そうとするのですね。

これらの思念に対する対策は①のように「しっかり自覚して感じる」という方法ももちろん有効ですが、別の手段として、『「自分は潜在的に前に進むのを恐れて自分で自分の邪魔をしようとしているんだ」ということを自覚しながら、行動に起こしてみる』ことがあります。この仕組みをしっかり自覚しておくだけで、振り回されることがかなり少なくなります。

先の例であれば「結婚したい」と思うのであれば、『「私は結婚することをとっても恐れているらしい、うまくいかない時は自分で自分の足を引っ張ろうとしているのかもしれない、でもやってみたいからとりあえずチャレンジしてみよう」という気持ちを持ちながら、実際に婚活をしてみたり、出会いを求めてみたりすること』でしょうか。

そして、実際に行動したときには、そのことをきちんと自分で褒め、行動を通して感じた自分の気持ちをその都度しっかり見つめてください。

ここで注意してほしいのが「結婚につながりそうな出会いがあったかどうかという結果にこだわらない」ことです。矛盾が多い状態の場合「結果をすぐに求めてしまう(白黒思考にも少し似ていますが)」「結果が得られない=自分が悪い、自分にはその価値がない」というように結び付けてしまいがちです。しかし、矛盾が少ない状態であったとしても、思念が現実化して夢がかなうためにはそれなりの時間がかかりますし、そこに行きつくために必要な学びというのがあるものです。

そういうわけで、行動した場合、「自分の思うような結果が即手に入ったか」ということは無視して、「勇気を出して申しこんで偉いね」「すぐ行動できたことはすごい」ということをまず褒めてください。そして、行動したことで何をどう感じたかをよく考えてみてください。やってみたけど案外結婚したいと思わなかったとか、やたら焦るばかりで楽しめなかったというときには、あなたのゴールや本当に求めているものは「結婚」という形ではなく、もっと別なものなのかもしれません。

行動するたびに感じたことはあなたが「自分が本当はどうしたいのか」を知るための大切なヒントをくれます。「とにかく結果が出るまでやる」「結果が出ないと自分が悪い」ではありません。行動して確かめて、そしてできればその過程を楽しみながら行うことで、必ず本当のあなたにつながるヒントがたくさん出てくるはずですよ。

 

③理屈より、自分の「心から欲しい」を大切にする

「結局は自分はどうしたいのか」ということを優先して選べるようになると、自己肯定感が高まりますし、自分の声がとても聞こえやすくなります。対して、何かを埋めようとして本当はそんなに欲しくはないものを求めていると、どうしても現実的な矛盾が深まりやすいです。

心から欲しいものは、「わくわくするもの」「理由がないけど惹かれ、接していると元気になるもの」「自分一人でもやりたいと思えるもの」というような特性があります。何かを埋めているものは「何かの代わりに行っている」「人目を気にしている」「本当に欲しいものが別にある」「誰かを喜ばせようとすることを第一にしている」「罪悪感や不安を埋めようとして行う」というような側面があります。

そういうわけで、「わくわくするもの」理由がないけど惹かれ、接していると元気になるもの」「自分一人でもやりたいと思えるもの」を積極的に求め、それを自分にすることを許してあげるようにしましょう。そうすることで「自分で自分を満たす」ことが少しずつできるようになるので、優先すべきでない「雑音」が薄れていきやすく、本当にやりたいことや生きたい道が見えてきやすいですよ。

最後に

さて、いかがでしたでしょうか。つまるところ「シンプルでない状態=本当にしたいことをしていない状態、何かを我慢している状態」であるともいえるのですね。

シンプルでいられない時には「何を我慢しているのかな」「何を犠牲にしているのかな」「何を押し込めているのかな」という観点で考えてみましょう。決して「シンプルでない自分はダメ」「シンプルに生きているふりをしよう」とはしないでください。シンプルでいられない時には、シンプルでいられないなりの、あなたにとって大切な理由があるのです。

逆に、シンプルでいられない時には「自分の行くべき方向はこっちじゃないよ」と教えてくれているというサイン。上手に自分の幸せにつなげていけたらとってもいいですね(^^♪

さて、当サロンでは、この「矛盾や隠れた気持ちと向き合う」ことのお手伝いもさせて頂いています。「同じことの繰り返しは嫌だ」「いい加減変わりたい、疲れてしまった」「本当の自分と向き合いたい」…そんな気持ちになった時には、お気軽にご連絡をくださいませ。当サロンは「本気で変わりたい!」と願うあなたのために全力でお手伝いをさせて頂きます(*´v`)

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